SOMEONE... ANYONE...

昨日、友人と連日の暑さから逃れる術を話す流れから、『ディオダティ荘の怪奇談義』でもないんだけど、即興で恐い話を考えて話すって事になった。いや、案外こういう下らない遊びが発想力を鍛える訓練になるんですよ… 多分。 (;¬_¬)

注) ディオダティ荘の怪奇談義とは1816年5月の或る夜、スイスのレマン湖畔に佇む、詩人バイロンが借りていた別荘 ディオダティ荘に5人の男女が集まり、それぞれが創作した怪奇譚を披露したという史実上実際にあった出来事を指す。
ちなみにこのたった一夜の内に後の世で世界を代表する怪物、『フランケンシュタイン』、『吸血鬼』が生まれたのは知る人ぞ知る、案外有名な話でもある。

て事で──


「僕」が住むのは関東近郊に立つ、3階建の小さなアパートの2階で、角部屋の203。
隣人とは引越しの挨拶以来全く顔を合わせないし、下の階には小さな子供が2人いる若い夫婦が住んでる事を知っているくらい。
たまにすれ違う際に軽く会釈を交わす事はあっても、基本的に他の住人達との付き合いは全く無い。もちろん此方も詮索する様な事は無いし、相手も干渉して来ない、ありふれた関係性と距離感。

でも、実は最近少し気になっている事がある…
時折、下の階から子供が暴れて飛び跳ねる様な大きな音がするのだ。
最初は全く気にも留めなかったのだが、これが不思議なもので一旦気づいてしまうと何だか妙に気になってしまい仕方がない。
とはいえ注意しても角が立つし、後に蟠りを残し住み難くなっても嫌だし、何より旦那さんは土建業の人らしく、その金髪に若干の不安すら覚える(苦笑)

そんな或る日、夕飯の買出しの為に外へ出ると、件の下の階の住人がちょうどドアの鍵を開けたところにばったりと出くわしたのだった。
一瞬、例の音の件を聞こうかという考えが頭を過ぎったものの、思い止まり会釈をして通り過ぎようとすると、なんと当の母親の方が言い淀んだ様な、申し訳のなさそうな顔で話しかけて来る。

「あの… 申し上げ難いんですが、たまに出される大きな音… うちは小さな子供が寝てたりしますので、少しご配慮頂けると…」

…いやいや、それはおたくの話でしょ! と売り言葉に買い言葉的話になり、これまでの経緯を互いが勢いで捲くし立て、双方全く譲らない状態が続き… 進展の無い問答に疲れた頃、妥協案としてお互いが大きな音を聴いた瞬間、指摘するという結論に落ち着く形で話がまとまった。

と、その日の深夜に差し掛かる頃、例の音がゴトンと鳴った。
それ来た!と喜色満面で相手の間違いを指摘しようと玄関の方へ急ぐと、不意にインターホンが鳴り響いた。モニターの向こうに立つのは見覚えのある金髪!
想定の範囲からずれた衝撃に慄いていると、予想に反し金髪は穏やかな口調でこう切り出した。

「先程の音ですが、やはり貴方が出した音でしょ?」

…いやいや、それはおたくの話でしょ! と売り言葉に買い…

ゴトン… ゴトン!

それ見た事か! ついに当人と一緒にいる時に現行犯で押さえた! と内心歓喜の声を上げかけると、怪訝な顔つきで金髪が携帯を取り出しダイヤルを押すと、微かに階下から着信音が聞こえる。
どうやら階下の自宅に電話したらしい。

ゴトン… ゴトン! 「もしもし俺だけど…」 ゴトン… ゴトン! 「今子供達は寝てるよな…」 ゴトン… ゴトン! 「うん…うん…」 ゴトン… ゴトン!

電話を切った金髪がゆっくり振り返り、答えを求める子供の様に不安気な顔を冷や汗でぐっしょり濡らしながら、静かにこう言った。

「貴方が音の主でない事は判りました… でも、うちの子も私達も音を出してないんです」 ゴトン… ゴトン! 「妻は確かに今も音は上からすると…」 ゴトン! ゴトン! 「でももう他の住民の方は寝てるか不在で電気が点いてないって…」 ゴトン!  ゴトン! ゴトン!…


ゴトンっ!!!

「うちとお宅の間の床板一枚分の狭い空間で、いったい何が起こってるんでしょうか!?」



そんな与太話(長ぇーよ!! 笑)

基本的に恐怖とは「未知に対する恐れ」だと仮定して考えると、絵や動画等の視覚情報からなら見知らぬものを明確にしないまま演出で怖く仕立てる事も可能なのですが、口頭で(しかも口下手な人間が)描写する場合だとそうもいかないので、必然的に設定を派手さやケレンに欠ける、現実的、且つ聞き手の身に覚えがある共感性に訴える必要があるので、発想力に乏しい僕では普段普通にありそうな音から「気づいて始めて恐怖に変わる」話に頼らざるをえませんでした(苦笑)

もっと瞬時にトリッキーなアイデアを様々に披露出来るように、引き出しの数や中身を常備する様心がけないとダメだな~ 反省。。。 o...rz
2014-06-04 : 終日ノタリゝ : コメント : 2 :
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ププッ (≧艸≦)
> ちろさん
内容に沿う時間に読み、その内容に共感して頂けるなんて好いお客さんだ◎

ていうか、こんな時間に読んだ事より、この無駄に長い文章を全部読んで頂けた事の方が、僕的には大きな驚きでござります(笑)
2014-08-05 06:42 : 哉ヰ涼 URL : 編集
バカー!
涼さんのバカー!(ρД;`)
(※こんな時間に読んでしまったことの八つ当たりです、すみません!泣)
2014-08-05 00:07 : ちろ URL : 編集
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